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299日目
2003年2月12日(水)
【天気】くもり
【記録者】とっこり
「キャリア復活」

数日ぶりの石垣市中心。
石垣島を西半分と東半分の2回に分けてツーリングしていたのがやっと昨日で終了し、今日はたまっている仕事を片づける予定だ。
まずは買い物
島をぐるっと回っているうちに食料が尽きたからだ。
次に、明日からの離島巡りに備えてフェリーの時刻と料金をチェックする。
わざわざフェリーターミナルに行って受付でチェック。
自転車は乗せられるのか?とか高速船だとどれくらい早く着いて料金はどれくらい違うのか?とか、お金はないけど時間はある旅人だからこそ念入りに調べたのだった。

このあと近くの中央郵便局へ。
ユースホステルの会員証の更新期日が迫っていたのを実家にいる親に知らせて振り込みをしてもらったら、実家にNEW会員シールが届いてしまい、今持っている会員証にそのシールを貼らないとどうも使えないようなのだ。
それで実家から石垣中央郵便局へ局留めで会員シールを送ってもらっているのでそれを取りに行くというわけ。
受付で局留めのことを話して郵便物を受け取る。
旅先で郵便物を受け取るときにはこの方法はありがたい。
海外だったら日本大使館に送るのがいいようだが、国内だったら郵便局がいいだろう。

スーパーとフェリーターミナルと郵便局に行っただけなのにもうすでに午後1時。
腹がへってフラフラしてきた。
今日の昼食は調べてあった「あさひ食堂」へ。
郵便局からすぐ近くのその店は、外見がかなりいかがわしい。
まわりの民家と違わないその様子は「こんなところにお客さんくるんか?」と思わせたが、中にはいると午後1時を過ぎているというのにほぼ満席。
20人くらいはいるだろうか。
席について「あさひ定食」を注文。
しばらくするとメイン以外のメニューが出てきた。

あさひ定食550円
ご飯に煮物、中味汁、和え物、すでに一人前の定食になりそうなボリュームがある。
いただきます・・・うむ、うまい。
和風というか琉球風というか、家庭料理といった感じ。
ぱくぱく食べているとメインのとんかつが登場。
ほほ〜どれ一口・・・ほふぉっ・・・熱っ!
さくさくの揚げたて、衣が薄いから肉のうまみがじわっっっと口の中に充満する。
はぁぁ〜〜〜〜これはいい。うまい。
しゃべるのを忘れてひたすら食べる、食べる。
これだけのセットが550円なら安いもんだ。
いつもは自炊をしてさらに安く済ませているけれど、たまにこうやってぜいたくな気分になれることは大切かもしれない。


今日こそは壊れているキャリアを直そう。
日記を読み返しても一体いつキャリアが壊れたか思い出せないけど、思い出せないくらい長いこと放ってあるのは確かだ。
今回で2回目となるキャリア破損、初回の破損(日記はこちら)ではえらい驚いたことを記憶しているけど今回のを忘れてしまったというのはどういうことだろう。
キャリアが壊れるというのは緊急事態なのに。
慣れというのは怖い。

昨年11月の後ろキャリア破損では新しいキャリアを購入して交換した。
今回もそうしようと思って新しいのを買うために自転車屋さんに相談に行ったのは確かだが、頭の片隅には溶接で直せないものかという思惑もあった。
もし溶接ができるならゴミが出なくて済むし多分買うよりも安くおさまるだろう。
いいことづくめだ。

で、自転車屋さんの主人に聞いてみると「できるかもしれん」と言われた。
ここから50mほど先にある製鉄所で聞いてみてくれといわれてさっそく行ってみる。
バチバチと火花を散らしているところへ押しかけて事情を話す。
自転車を見せると、しばらく考え込んで
「ちょっとうちでは無理だな。すぐ近くにある他の鉄工所に行って聞いてみてくれ。」
と言われてしまった。
だめか・・・キャリアがアルミ製だということも関係しているのだろうか。
ここではできないという理由がよくわからず、ただ面倒だけだったのかもと思いながら教えてもらった次の鉄工所へと走っていく。

2軒目、古見鉄工所
さっきのところよりも規模は大きい。事務所まであってなんだかすごそうだ。
もしかしたら直してくれるかも。そんな期待が膨らむ。
事務所のドアを開けて受付の事務のおねーさんに事情を話す。
するとそのおねーさんは現場の人間に聞いてみるといって作業場に出ていった。
ドキドキしながら待っているとすぐに戻ってきて一言、
「ごめんなさーい。今だれもいないみたい。」
なんじゃそれ?外出中?
ショックのあまり声も出ない。このキャリアは直せるの?直せないの?
がっかりとした気持ちが顔から体から染み出てくるようだ。
我々のダークなオーラを察知してくれたのか事務のおねーさんは別の鉄工所に電話をはじめた。
これこれこういう人達が来ていて、うちには今技術者がいなくて・・・なんてことを話している。
もしかして3軒目に回されてしまうのか?不安がよぎる。
キャリアを溶接してもらうってこんなに大変なの?
たらい回しにされるくらいなら潔く新規購入した方が楽だ。
なんて考えていると電話が終了。1〜2kmほど離れたところにある「常深鉄工所」を紹介された。
せっかくの親切を無駄にはしたくない。
お礼を言って出発。
もうここまでくればやけくそだ!
5軒でも10軒でも回ってやろうじゃないか!!


走って走って着いたところは小さな鉄工所。
従業員が2人働いている。
自転車を入り口まで乗り付けてから話をする。
2人のうちのひとりはどうやらここの社長さん。
電話でアポイントを取ってあるから話はスムーズに進む。
どれ、見せてみろ。なんて言われてサイドバッグを外してキャリアの破損部分を見せる。

(頼む!直せると言ってくれ〜!)

「よし、キャリアを外して。」
おおおおおっ!やった!直してくれるんですね!
外しますとも。いますぐ外しますとも。
社長さんの気が変わらないうちにすばやく外して手渡した。
いよいよ作業開始だ。

アルミはアルゴン溶接で

現場からの中継
まずサンダーで表面のメッキをこすりとって、頭にごっついマスクをかぶったかと思ったら溶接が始まった。
バチバチッ
火花が飛び散る。
本当に直るんだろうか、途中までやってみてだめだったなんて言われないだろうかと不安になる。
じたばたしてもしょうがない、見守るしかないのだ。
社長さんを信じよう。

数分後、作業が終了した。
手渡されたキャリアはしっかりと直っている。
新品のキャリアを手にしたときよりも数倍うれしい。ゴミが出なかったことや安く上がったことももちろんだけど、今まで一緒に旅してきた仲間とまた旅を続けられることがなによりもうれしい。
前回の後キャリアも溶接で直せたかと思うとすこしくやしいが、次また壊れることがあれば迷うことなく溶接を依頼することにしよう。

ちなみに料金は1000円だった。新品購入よりも安い。
日本一周していることを聞いた常深鉄工所の社長さんはその1000円すら受け取ってくれなかった。
がんばれよ、ということらしい。
お金ではないその気持ちがすごくうれしい。




移動
出発地 沖縄県石垣島 総合体育館
到着地 沖縄県石垣島 サザンゲートブリッジを渡った先の公園

今日の出費
5132円

走行データ
走行距離 14.2km
総走行距離 8555.1km
走行時間 1時間14分
平均速度 11.5km/h




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