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293日目
2003年2月6日(木)
【天気】くもり
【記録者】とっこり
「北の鳥沼、南の・・・」

今日から石垣島をぐるっとひとまわりする。
島を一周するのに何日かかるのかわからないがそう大きい島ではないといっても3日くらいはかかるとみている。
たぶん今いる市街地を抜けてしまうと街らしい街はなくて食料品の買い出しが大変だろうことは予想がつくので、開店と同時にスーパーに入って買い物を済ませた。
店から出てくるとバイクの人が声をかけてきた。
この人、近くのキャンプ場で長期滞在している旅人だそうで荷物のついた自転車をみて話しかけてきたようだ。
全体としてはたわいもない話だったのだが、彼が持っていたでっかいパンについて聞いたことからひとつの事件が始まった。
この食パン、かなりでかい。3斤だ。
店でよく売られているあのサイズの3倍である。
彼はこのパンをなんと100円で手に入れたというのだ。
1斤ですら100円で買うことは難しいのに一体どうやって手に入れたのか?
答えはオープンセールだった。
新しく店がオープンするその開店記念としての目玉商品だそうだ。
そういえば昨日かまぼこ屋にその店の広告があって100円のパンのことも書いてあった気がする。
今日だったのか・・・。

バイクの彼と別れたあと、スーパーで食パンを買ってしまっていたのにかかわらず3斤食パンを求めて自転車を走らせていた。
買わなきゃ損でしょ〜。

着いてみると店の前には行列ができていた。
こじんまりとした建物だがスーパーといった印象は全くない。外からではなんの店かすらわからない。
なんか整理券のようなものを配ってはいるけどみんな店の前で待たされている。
???
混雑するから入場制限しているのだというがどうもだ。
怪しい雰囲気を感じるがとりあえず整理券をもらい、しばらくしてから誘導されるがままに店の中へと入っていく。
店の中はすっきりとしていて小さな公民館という感じで、どこにも商品が陳列されていない。
何かが入った段ボールがいくつか置いてあるだけだ。

そのうち一人のお兄さんが話を始めた。
今日はオープンセールということで普通なら600円する食パンを特別に100円でお配りしています。今回は我々が行っている通販を紹介するためにこちらのスペースをお借りしてこうやって話をさせてもらっています。本社は大阪にあってこれからどんどん売り出していこうということでPRにやってきました。

というようなことを笑いのツボを抑えながらうまく話をしている。
明日は1000mlのハチミツを100円で、その先にもいくつか激安商品が用意されているようだ。
話を聞いているうちにカラクリが見えてきた。
おわかりかと思うがこの商法は悪徳商法である。
無料もしくは激安の商品で人(おばちゃんが多い)を集めておいて、セールスマンは親しげにある時は孝行息子のように話しかけて心の距離を縮める。
いくつものお得な商品を配ったあとで油断しきったところへ最後に超高額商品を買わせるという商法だ。
そんなバカな・・・買うわけないじゃんと冷静な人は思うだろうけどそこはプロ、集団心理を利用し断れない状況をつくりだすのだ。
最近は大都市ではなく警戒心のない田舎のほうが狙われているというからまさにこれだろう。
後ろのほうで冷静に観察しているとすでにハマっているご婦人が何人かいたからびっくり。
おそろしい商法である。

ただ、今目の前で行われているセールスの場合、何度か店に足を運んでもらう作戦のようなので旅人である我々はひっかかりようがない。
悪いがパンだけいただいて失敬することにしよう。

話が一通り終わってからパンをやっと配り始めた。
整理券が引換券になっているのでそれを渡してパンをもら・・・
っておい!!3斤のパンじゃないじゃねーか!!
手にはアンパンのような丸いパンが二つ。どういうことか聞いてみると3斤のパンはすでに品切れとなってしまったという。
朝会ったライダーさんは確かに持っていたから多分品切れというのは本当の話だろう。
でもこんなパンならいらないと言って100円を返してもらって出てきた。
はぁ・・・なにしに来たんだろう。



さっきのことは忘れよう・・・
広い公園で昼食。ちょっとこの落ち込みを消さないと自転車で走っていても楽しくない。
わざと長い昼休みにしてゆっくりくつろいだ。
気を取り直して出発。反時計回りに島をぐるっとまわる予定だ。
スタートしてすぐのところにキャンプ場がある。
例のライダーさんが泊まっているところだ。
これから2月28日まで八重山諸島に滞在する。3月1日の石垣空港発鹿児島行きのチケットをとってあるからだ。
竹富島や小浜島、黒島なんかを巡るときには荷物をおいておける拠点があった方がいいだろうと思ってこのキャンプ場に滞在することを考えていたから、石垣島一周の前にちょっとチェックしておくことにしよう。
そんな気持ちでそのキャンプ場、南夢楽園キャンプ場へと向かった。
気がかりなのはどれだけの旅人がいるのかということ。
社会の枠から外れ、人と違う生き方をしているという実感を持って今旅をしているのに、ここで大勢の旅人をみることで自分のやっていることが別に大したことではないという現実を突きつけられるのが怖いのだ。
さらにいうと長期滞在型の旅人はあまり好きではない。
テントの上にブルーシートをかけて雨よけにしているのを見ただけでずーーんんんんと気持ちが沈んでしまう。

いやでも現実から逃げてはいけない。そういいきかせながらキャンプ場に到着。
おそるおそる中へと入っていく・・・

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ぎゃぁぁぁぁぁーーーーーー!!!


林に潜むテント

ディープな空間

めまいがする
北海道の鳥沼キャンプ場で見たあの光景がよみがえる。
テントにブルーシートをかけたあの長期滞在型の住居がずらーーっと並んでいる。
30以上はあるだろうか。
鼓動が高鳴る。
テントの中に入りきらないほどの生活道具をかかえこみ、洗濯物も半端な量ではない。
再び旅立つ日は来るのだろうかという定住ぶりが見てとれる。
ずっと奥の方、すみっこには新米らしいテントもあるが全体としてはかなりディープだ。
荷物をおいて離島に行きたい、最低ここで1泊は必要になるだろうという現実を目前にひかえながらも逃げるようにこの場を立ち去った。


今日の寝床すら決まらないまま先へと進む。
雨は降りそうにないからどこでもいいやと思っていると観音崎灯台のところにちょっとした広場があってそこに決定。
まだ時間があったので黒糖を手作りしている工場を見学したり、ちんすこうの製造工程を見学したりして楽しんだ。
灯台のすぐ近くにあったからね。

ちんすこう製造

とうきびを煮詰める

散々な一日だったなぁ





移動
出発地 沖縄県石垣島 市立図書館の軒下
到着地 沖縄県石垣島 観音崎灯台

今日の出費
2213円

走行データ
走行距離 17.8km
総走行距離 8404.2km
走行時間 1時間29分
平均速度 11.9km/h




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