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HOME > 日本一周の記録編 > 実現 > 旅の日記(目次)> 2003年04月09日
355日目
2003年4月9日(水)
【天気】晴れ
【記録者】とっこり
「えびのスカイラインの恐怖」

今日は宮崎県側からえびのスカイラインを通ってえびの高原へ行く予定だ。
この高原の近くには日本百名山のひとつである韓国岳(霧島山)があって、その登山のためにえびの高原に行くと言ってもいいかもしれない。
ここで問題がひとつ。
えびの高原の標高、1250mもあるのだ。
坂道が大好きな、苦しければ苦しいほど笑いがこみあげてくる変人とっこりとは違って、たこべーはできれば峠道を避けて通りたい庶民派チャリダーである。
そのたこべーを説得しないことにはえびの高原には行くことができない。

この手の説得にはいつも頭を悩ませる。
つらい思いをしてたどり着いたときの感動をたこべー自身はいやというほどわかっている。
これまでも1000mを越えるような峠を経験しているし、そのさきに大きな感動を味わっているからだ。
でもだからといって手放しに厳しい道を走ってくれるというわけにはいかない。
到達したときの感動と同時に坂道を走っているときのつらさも脳裏に焼き付いているから。
そんなたこべーを説得するのは大変なのである。
このときほど一人がよかったと思うことはない。


とまあ、そんなこんなで昨日のうちからじわじわと説得を続けて今日の朝にはがんばろうということになった。
この苦労はうまく文章にすることができないので書きませんが・・・。
たこべーのやる気をそがないように朝からバリバリ走っていたのに、そのやる気をなくしてしまう事件が起こってしまった。
起こったというより起こしたのだが・・・。
ホームページに日記を更新しているこのごろだが、前回の更新日から2週間以上経っているのに手をつけることができないでいる。
いまのところホームページを更新するのには市役所・町役場などにあるインターネット環境に頼っていて、その設備があるところが見つからないことには更新しようがないのだ。
そろそろ更新したかったしちょっと小林市役所にパソコンがあったらいいな〜なんて軽い気持ちで寄り道したら、なんということかインターネット環境があったのです。
いつもなら手放しで喜ぶのに今回は事情が違う。
せっかくやる気を出しているたこべーの機嫌を損ねないように、すぐ終わるからと言って急いで更新作業をする。

ところがその甲斐むなしくたこべーからは「だるい、だるい」と文句ぶーぶー。
いらないところで休憩が入ってちょっといらだち気味でありました。


気を取り直してスタート、県道1号線に入る。
この県道1号線が「えびのスカイライン」である。
ここから本格的にひたすら登りがつづく恐怖のスカイラインが始まる。
よっしゃ〜!!
と気合いを入れてペダルをこぎ出す・・・車にクラクションを鳴らされた。
???
なんか悪いことしたか?と思っていたらその車は停まった。
さっき国道で見かけてさ、なんか気になったから追いかけて来ちゃった。
きみたちえびの高原行くのかい?大変だけどがんばれよ〜

といってなんということか2000円をくれた。
お金はもらえないと言って断ったけど引っ込めてはくれず、ありがたく受け取ることになる。
お金はともかく、こうやって応援してくれるその気持ちがうれしい。

この応援をエネルギーに変えて勢いよく走り出す。
思ったほど交通量は多くなくてちょっと安心したのもつかの間、小林ICを過ぎたところでおなかが空いてきて休憩をとった。
まだ10時、休憩をとるには早かったけど空腹感のある状態で走ることがどれほど危険なことか、エネルギーを切らしたままでは力が出ないことをよく理解していたから、持っていたお菓子や果物を食べてたっぷりと休憩した。
ここから生駒高原まで6,7kmくらい。
えびの高原までの中間地点としてまずはここを目指した。
ゆるーい坂、ちょっときつめの坂、ひたすら登り。
車はほとんど通らないから道幅いっぱい使って走れるのがありがたい。
スピードメータが10km/h以上になることはない、それくらいゆっくりと進む。
ところどころで休憩をはさみながら生駒高原に着いたときにはちょうど12時になっていた。
すでにへろへろ、まだ標高は500mくらい。
えびの高原にたどり着けるのか?


昼ごはんを食べているときは風が冷たくて寒い。
自転車で走っているときは汗が噴き出すほど暑くてたまらないのに、じっとしているときの冷たい風は体に悪い。
体温調節をしっかりしないと風邪をひいてしまいそうで怖い。

午後からが本当の勝負。
えびの高原まで15kmという看板を見つけて気合いを入れ直す。
この看板からちょっと進んだところの道ばたに「0」と書かれた看板を発見。
さらに進むと「0.5」という看板が、そしてその先には「1」
数字の現れる間隔からすると多分これは距離に違いない。
「0.5」は0.5km、「1」は1kmということか。
だとするとえびの高原に着くためには「15」まで看板を見届けないといけないわけか。
ただひたすら走るよりは目安となる看板があった方が走りやすい。
休憩をとるのにも看板を頼りにしていけばうまい具合に休めるだろう。



やっとこさ標高700m

まずは「3」で休憩をいれた。
坂の勾配はそれほどきつくないし、昼休みから走り始めたばかりだからたった3km走って休むというのはちょっと早い。
先のことを考えて早めの休憩である。
次は「4.5」で休んだ。
まだまだ元気。
だいぶ坂がきつく感じるようになってきたけど疲れがたまってきたという感じはない。
次の目標である「6」の前に標高700mを越えた。
記念撮影をしてから再び走り出すも調子が出てきていたから「6」を飛ばして先を目指す。
「7.5」に到着。
ここで少し多めに休憩をとった。
ビスケットと日向夏を腹に入れる。
やっと半分に来たのかと思うとちょっと気が重い。
ここまででもずいぶんがんばってきたのにまだ半分か・・・。



そろそろ限界・・・

次の目標「9」にむけて走り始める。
いままでと同じ1.5kmのはずなのにものすごく遠く感じる。
足が重くなってきた。
ついに疲れが出てきたのだろうか。
「10.5」にたどりついたときにはぐったりしていた。
自転車から降りて休んでいるとひざが笑う、足全体がプルプルと震えるのだ。
そろそろ限界が近いようだ。
標高1000mはすでに越えて、「11」も過ぎた。
・・・あと4kmか・・・
とカーブをゆっくり回るとそのさきに建物が現れた。
市営温泉である。

なんでもここの市営温泉、8ヶ月ぶりの営業再開だそうだ。
疲れた体にひとっぷろ!とも考えたけど、ここでくつろいでしまうとえびの高原にたどり着くだけの元気・体力がなくなってしまいそうで怖くて、涙を飲んで先を急いだ。
ここからは半分が気力。
景色を楽しむ余裕はすでになくなっていた。
まだか〜まだか〜
とカーブを曲がるたびに高原への到着を期待して、ついに最高到達点が目の前に見えた。
あと少し、あと少し。
右手に不動池が見えた。
池の周りをぐるっと道路が走っていて数百mさきには展望台が見える。
そこがえびのスカイラインの最高点だ。
じわじわと確実に・・・着いた!

右手には不動池、左手には・・・
おおおっっっ!!韓国岳だ!!

不動池

韓国岳をバックに

展望台からは韓国岳がすぐ目の前にそびえていて、えびの高原が眼下に広がっていた。
道はここより下り。
標高1250m。
は〜〜疲れた。
もう一歩も動くことができず、この展望台にて今日はテントを張ってキャンプとなった。
4月とはいえ1000mを越える標高、明日の朝にが降りるほどの寒さを迎えるとはこの時点で予想できなかった。
予想できてもどうすることもできなかったけど。




移動
出発地 宮崎県野尻町 道の駅ゆーぱるのじり
到着地 宮崎県えびの市 不動池展望台

今日の出費
0円

今日の収入
2000円←もらった

走行データ
走行距離 38.2km
総走行距離 9739.6km
走行時間 3時間57分
平均速度 坂きつかった!→ 9.7km/h




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