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265日目
2003年1月09日(木)
【天気】晴れ時々くもり
【記録者】とっこり
「山奥の元暴力団員」

静かな朝を迎えた。

ここにこっそりテントを

辺戸岬からの朝日
辺戸岬で朝日を拝み、従業員に見つからないうちに手早く出発。
レストハウスの軒下にこっそりとテントを張ったからだ。昨日は雨が降っていて、もしこの場所でテントを張るのを断られたら他に行くところがなかったというのが従業員に黙ってテントを張った理由だ。
朝になってしまえばどーってことないがね。

さて今日はやんばるの東部を走る。
沖縄で最も苦しいといわれている道だ。
気合いを入れてスタートする・・・がチェーンがからまる。ギアとチェーンがうまくかみ合っていないように見える。
湿度の高いときによく発生するこの現象、なんなんだろうか。
標高100mほどの峠を越えると「奥」という集落に着いた。

集落の家並み
郵便局で水をもらったりハガキを買ったりしてから集落を歩いてみる。
確かに琉球らしい建物が並んでいて風情はあるが、期待していたほどの景観ではない。
のんびりした空気が流れていてうれしい反面、時代に取り残されたような廃村的な雰囲気に悲しくなったりもする。

さあここからがやんばる東部の本番だ。厳しい坂道が続くぞ。
・・・集落を外れてしばらくすると右手に変な土地がある。
小屋らしき小さな建物が3つ4つ並び、どでかい仏像(5m以上ありそう)が庭に居座っている。
その庭は手入れされているようなされていないような中途半端な感じだ。
変なの・・・
そう思って通り過ぎたそのとき、
とっこり〜〜
後ろからたこべーが声をかけて呼び止める。
その庭にいたおっちゃんがたこべーを呼び止めたらしい。
どうやら休憩でもしていけということだが、これからつらい道だからと気合いを入れていただけにいきなり足止めはつらい。でもせっかくのお誘いを無駄にするのももったいなかろう。
もらえるもんはすべてもらうのがとっこり&たこべー流だ。

まず庭に通された。テーブルとイスがある。
タンカン(みかん)のできそこないとコーヒーをごちそうになりながら話をする。
旅のこと、おっちゃんのことなどいろいろだ。
おっちゃんの話の中でひとつ気になるところがあった。元暴力団だということだ。
うそを言っている感じではない。
かぁ〜、まあ大丈夫でしょう。
少しうち解けてきたところで休憩小屋だという3,4つある小屋のうちのひとつ、その入り口のテラスへと場所を移した。
ここでは鍋をつついて昼食を食べて泡盛をくらって酔っぱらった。

このあとつぶれる・・・
そう、もうすでになのだ。
ちょっと休んだらおいとましようという我々のもくろみはあっさりと崩れ、ひきとめるおっちゃんの誘いを断りきれずにだらだらと居座っている。

酒でふらふらになったところで外出。
自分の土地だというプライベートビーチへ連れていってもらった。
海岸も自分の土地だなんてうらやましい。
けっこう広い。でっかいさんごを拾って帰るといって車に積み込む。
重い。パジェロのタイヤくらいのサイズといえばわかりやすいだろうか。

このあたりから酔いがかなり回ってきた。
気持ち悪い。うぇっ・・・(リバース)
隠れてすばやくリバースしたから多分二人には気づかれてないだろうが、かなりふらふらでつらい。
車に乗って別荘(小屋と仏像があるところ)に戻ったらどうにも耐えられなくて、庭で倒れ込むように寝てしまった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
起こされた。たこべーだ。夕食だからこいとおっちゃんが言っていると。
まだ気持ち悪いが客人としては誘いを無視するわけにもいかず、這いつくばるようにして夕食の場へ。

目の前には肉。食えるか!
とも言えずがんばって食べる。
脂がのっていてかなりやわらかくて、本当ならうまいんだろうが今にもリバースしそうな状況ではこの脂のこってりが命取りだ。
一口一口を慎重に食べる。
ところで、おっちゃんに聞いた話では我々はこの夕食の場に至るまでにいろいろと試されていたらしい。
庭→小屋のテラス→今いる小屋の中というようにステップをもうけて客を審査するのがおっちゃん流だというのだ。

セルフビルドガーデン
もし気に入らなければその時点で帰ってもらうらしい。
なんてふざけたおやじだ。

このおっちゃんのことを少し書いておこう。
まあ元暴力団なんであんまり書きすぎて見つかっても困るけど、さしつかえない程度に書こう。
彼はいろんな経歴の持ち主だ。
自衛隊、暴力団、ヒモ(働かないで女に寄生する)、などを20代で経験して29歳の時に沖縄へ渡ってきた。
そして今の土地に1万坪(!)の土地を買って20数年かけてこの庭を自分の手で創りあげたという。
おもしろい人生を歩んでいると思う。
やってきたことの内容はとして生き方としてはアクティブでいい。
まねしたいとはお世辞にも思わないけどね。

夕食の時はおっちゃんのトークがエスカレート。かなり酔っているみたい。
暴力団時代の話を持ち出すと人が変わったようになるから怖い。詳しく書くことは控えるが道徳上、人としてあるまじき行為をやってきているその事実を自慢げにそして誇らしげに語るのだ。
部屋においてあった日本刀を目の前で振り回されては、うかつにおっちゃんを刺激するようなことも言えない。
斬られかねないからだ。マジで。酔ってるからね。
夕食会がお開きになるまで緊張が解けることはなかった。
酔いもすっかりさめてしまった。

で結局泊めてもらった。
今日走ったのは朝の1時間だけか・・・。




移動
出発地 沖縄県国頭村 辺戸岬レストハウス
到着地 沖縄県国頭村 おっちゃんの家

今日の出費
200円

走行データ
走行距離 10.2km
総走行距離 7878.6km
走行時間 49分
平均速度 12.3km/h




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