195日目
2002年10月31日(木)
【天気】くもり
【記録者】とっこり
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「てんこもりの伊豆半島」
昨日の夜も結構寒かったが、公園内にあった足湯のおかげでそれほどこごえずに一夜を過ごすことができた。
曇り空の中を出発してまもなくして弓ヶ浜に着いた。
着いたといっても浜に寄ったわけではなくて国道から遠目に見えただけだ。
1kmほど砂浜が弧を描くように続いている浜なのだが、それほどすばらしいとは思わず行かなくてよかったと胸をなで下ろした。
それよりもすぐ近くにあった小島がいい感じで、そっちのほうがむしろ印象に残った。
たこべーはそれを見て「小・軍艦岩」だと言っていたがたしかにそうかもしれない。
能登半島で見た「軍艦岩」があまりにもすばらしかったために、日本各地で小島を見るたびに思い出してしまうのだが、今日もまた本家(?)軍艦岩を頭に浮かべることになってしまった。
こちらが能登の軍艦岩
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こちらが弓ヶ浜の軍艦岩
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少々のアップダウンを越えてさらに進むとアロエセンターに到着。
最初から入るつもりではなかったがせっかくだからと寄ってみることにした。
ハウス内には何十種類ものアロエが栽培されていてびっくりしたが、それよりも山の斜面いっぱいに栽培されているアロエ畑の方がすごい。
アロエセンター
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いろんなアロエが栽培されている
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まさにアロエ山だ。
店内で試食をしているとぞろぞろと観光客が入ってきた。バスが到着したようだ。
一気に店内がうるさくなってたまらず外へ出たらびっくり。
観光バスのナンバープレートが「三河」じゃないか!
こりゃいかん!
話しかけられようものなら同郷(刈谷市は三河地方)ということであれこれと質問責めにあってしまう。
そうなる前に退散しよう・・・。
石廊崎に着いた。
灯台への道がわからずに迷ったりはしたけどなんとかジャングルパークという灯台に通じる道がある公園にはいることができた。
伊豆最南端まで歩いて往復。このあたりにも観光バスがうじゃうじゃいた。
一見するとつぶれてしまいそうな店がたくさん並んでいるようだが、バスでやってきてここに散財する人達がいる限りは経営は成り立つのだろう。
それにしても坂がきつい。伊豆の東部はまだきついと感じるほどではなかったのに西伊豆はけっこうアップダウンがある。
止まっては休み止まっては休みを繰り返す。
あるとき、路肩が広くなっていて車が数台停まれるようなスペースで休憩をとった。
そこには車が一台。
はて周りには民家すら見あたらないけど持ち主はどこへ?
なんて思っていると遠くからじーさんが歩いてきた。
この車の持ち主かと思っていたら乗り込むでもなくじろじろと中をのぞき込んでいる。
???
そしてじーさんの一言。
「この車、3日前からここにあんだよ。多分車をここにおいて山ん中入ってこれじゃないかな〜」
といって首を吊る仕草をした。
げげ〜〜やめてくれよそんな不吉な話・・・。
走って走って子浦までやってきた。どうにもこうにも坂が多くてすぐに腹が減ってしまう。
峠の茶屋にて
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子浦を過ぎても続く坂道にそろそろうんざりしてきて、昼食にしないとくたばってしまうところまできていた。
あとすこし、あとすこし・・・なんて思って走っていたらあるカーブで峠の茶屋が目の前に現れた。
峠じゃないのに・・・。
ミカンでも買って腹の足しにしようと思って寄ったら、店のおばちゃんと話しているうちにところてんがでてきて「どうぞ」という。
ありがたくいただいているとひじき、赤飯、お茶がでてきて茶屋で一休みという感じになってしまった。
何も買っていない客に対してここまでしてくれるなんてすばらしすぎる!
ちょうど腹が減っているところへこの差し入れ、茶屋じゃなくて御殿に見える。
宿泊地のめどが立たずにいい時間を迎えているにもかかわらず、温泉だけはきっちりと入る。
雲見の無料混浴露天風呂だ。
国道からずーーっと歩いて下ったところにあるから人目を気にせずに入れる。
海が見渡せる絶好のロケーションで、先客でカップルこそいたが特に意識することなく混浴することができた。
こういうひとときがあるからきつーい坂にも耐えられるのだ。
続いて平六地蔵露天風呂と呼ばれている、これまた無料混浴露天風呂に行ってみた。
こちらは誰も入っておらずまたもや混浴できるはずだったのだが、さっきの露天風呂で満足してしまって入る気にならず、手だけ浸かって去ることにした。
後悔はない。
雲見の無料混浴露天風呂
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平六地蔵露天風呂
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時はすでに午後3時。最近は午後5時を過ぎるとずいぶん暗くなってくるからそろそろ宿泊地を決めたい時間だ。
先を進みながら宿になりそうな場所を探す。
バス停はなんとか泊まれそうだ。
宿が見つかってちょっと安心したら時間に余裕がでてきて、少し先にある「雲見くじら館」というところに寄ることにした。
ここが観光案内所を兼ねているからだ。
中に入って町内の地図をもらいおばちゃんと話をする。
こっそりバス停で寝るよりも一言断っておいたほうがよかろうと思って聞いてみると、このへんはキャンプに対して厳しいという返事が返ってきた。
以前キャンパーが悪さをしたことがあって地元の人はかなり警戒しているらしい。
バス停で寝るのでも見つかったら怒られるといわれた。
うーーん、困った。
まさかこんな結果になるとは・・・。
困った顔をして二人であれやこれやと相談していると、くじら館のおばちゃんは気の毒に思ったのか自治会長さんに電話して許可を取ってくれた。
といってもくじら館の倉庫のすぐ横にテントを張ってもいいという許可だったが。
地元の人でさえまず見つけられないだろうという倉庫の横でテントを張るのですら会長さんに許可をもらわないといけないなんて、キャンパーに対してどれだけ警戒しているんだ?
こっそりバス停で寝て、もしも見つかったら・・・ひぇぇ〜考えただけで恐ろしい。
このキャンプの許可はかなりありがたかったが、天気予報によると今夜から雨が降るらしくてここでテントを張ると雨にやられてしまうため、丁重にお断りした。
もう数km走って松崎に行ったほうがキャンプできるだろうと思い、親切に対応してくれたおばちゃんにお礼を言って出発した。
松崎の街に入るとうまい具合に雨を防げそうな橋を見つけた。
橋の下には結構スペースがあってテントくらいは楽勝で張れそうだ。
すぐ近くに大きなスーパーがあって、もし明日一日雨でもそこで過ごせそうだ。
必死に探せば宿なんて必ず見つかるもんさ。
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