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これから旅立つ君へ
友人がサイクリングに誘ってくれなかったら。
会社の先輩がロードレーサーを譲ってくれなかったら。
そして自分をツーリングの世界へ導いてくれた一冊の本と出会わなかったら、今頃どんな生活をしているのだろうと思うことがある。
心の中ではなにか充実できるものを求めながらも、特に不満のない日常を生きていたかもしれない。
もしかしたら全く別の、何かを見つけてそれに向かってがんばっているかもしれない。

考えてもしょうがない。いま自分はここにいる。
日本一周したのだ。
得るものはとてつもなく大きかった。
これからの人生に絶大な影響をもたらすことはまちがいない。
しかし失ったものもたくさんあった。

大事なのは後悔していないことだ。
「やるも人生やらぬも人生」
という言葉があるように、せっかくこの世に生まれてきたのだから、より多くのことを学び、経験し、あのときやっておけば・・・という後悔をしないようにしたい。

言うのとやるのでは天と地の差があり、実行した者だけがその先にあるなにかをつかむことができる。
夢を夢で終わらせないためにも、ぜひ行動を起こしてほしい。
お金で買うことのできない大切なものを手に入れることができるはずだ。



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夢と目標
小学生くらいの子供は、大きな夢を持つ。
大人から見ればとうてい無理だと思えるような夢でも平気で口にするし、いつか必ず実現できると信じている。
ところが、大きくなって社会に出る頃にはあのすばらしい夢はどこへやら、現実を見せつけられた若者は夢を忘れてしまう。
なぜそうなってしまうのか?
悲しい。
夢は夢で終わらせないで、目標に変えていこう。

日本一周、すばらしい夢だと我ながら思う。
最初からできるなんて思ってなかった。やろうと決めてからも確信はなかった。
けれどもやった。そしてできた。
やればできる。やらなきゃできない。
まずは一歩を踏み出そう。



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旅が終わったら
旅に出た時点ですでに戻るべき場所(職場や学校)がある人は気にすることではないのだが、自分の場合は職を捨てて出発しているから、終わったときにどうするかという不安が大いにあった。
自分は一体どんな仕事がしたいのだろうか。
そして自分はどこに住みたいのか。
常に考えながら旅を続けていた。

終わってからどうするかという不安が先立ってふんぎりがつかないのなら、さっさと決断して出発することを勧める。
経験者として一言、必死に何かを求めるなら
なんとかなる
である。



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準備はしっかりと
とにかく日本一周することが目標であり目的だという人へ。
がむしゃらに走っておしまいということがあります。
もちろんそれが悪いとは言いませんが、それだったらトラックを回っていても一緒じゃないの?
と思ってしまいます。
せっかく日本中を旅するのだからいろんな物を見て、いろんなことを感じたいですよね。
そのための準備には時間をかけましょう。
たとえば・・・
  • 行きたいところ、観光地はもちろん岬・山・川・温泉などいろいろ調べる。
  • 雑誌で見たあの人、気になる本の著者など、会ってみたいと思う人へ手紙を送ってアポイントを取ってみる。
  • 興味のあることを追求する、その準備。歴史建造物、祭り、食文化など。
  • 釣りができれば食費が浮きます。野草・山草の知識があればさらに浮きます。タンポポとかオオバコって食べれるんですよ。
準備しただけ旅は充実します。これマジ。



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誇りと自信
「いい身分だね〜〜」
旅の間に何度か言われたことがある。
もちろん行った本人は悪気なんてない。
確かに毎日仕事もしないで遊び回っているのだから、いい身分だといわれても仕方がないのかもしれない。
ただ、若いとはいえ不況時代に会社を辞めるというのは大変な決意が必要だし、旅をする資金は働いて貯めたものだ。
時間も、お金も、自ら創り出してきて、その結果としてこの身分があるのだということを理解してほしい。
決して与えられた身分ではないのだ。
周りがなんと言おうと、自分のやっていることに誇りと自信を持って、一直線に突き進んでいくパワーも時には必要ではないだろうか。



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「危険」
どうしても日本一周に踏み出せない、そんな人のために。
ある本に載っていたのだが、旅の間すごく勇気づけられたとっておきの詩を紹介しよう。

【危険】
笑えば、愚か者と思われるかもしれない。
泣けば、めめしい奴だと思われるかもしれない。
他人に手をさしのべれば、やっかいごとに巻き込まれるかもしれない。
喜怒哀楽をあらわせば、自分の本性までさらしかねない。
夢を語れば、他人にもみくちゃにされてはかなく消えかねない。
愛することには、失恋の危険がつきまとう。
生きることには死の危険が、
求めることには失望の危険が、
挑戦することには失敗の危険がつきまとう。
しかし危険は冒さなければならない。人生最大の悲惨は、なにひとつとして危険を冒さないことにある。
危険を冒さぬ人は、なにも為し得ず、なにも手に入れられず、なにもない人生を送る。
危険に身をさらさなければ、苦しみや憂いは避け得ても、学び、変革し、成長し、愛し、生きていくことができない。
危険に対して及び腰でいる人は、自由を剥奪された奴隷のようなものだ。
危険を冒す者だけが、自由に人生を生きられる。




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