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 日本一周しようと決めたものの、一人で行くのかそれともたこべーを連れて二人で行くのか悩んでいた。一人には一人のよさがあるし、二人には二人の良さがある。一人で行くとなればたこべーを置いて出ていくことになるからその説得が必要だ。二人で行くにしても一緒に自転車で日本一周するように説得しなければならない。どちらに転ぶにしても説得が必要だ。

 とはいえ、いつかは言わねばならない事だし日本一周するとなれば貯金もしなければならない。となれば「善は急げ」ということで、早めに言ってしまったほうがいいだろうと勝手に思い込み、意を決して打ち明けたのである。

 そのときのたこべーの反応は良くなかった。無理もない、1年も家を離れて旅するのだから友達には会えないしTVだって見られないだろう。ましてや自転車で1泊2日のツーリングすらしたことがないのだ、不安が先に立つのは当然だろう。そしてもっとも問題となったのは仕事のことだ。大学を卒業してせっかく就職したのに、この不景気の中会社を辞めてどうしようというのか、自分の将来の不安とともに親に対して申し訳ないという気持ちもあったに違いない。社会人としてやっと仕事が軌道に乗り始めてきた矢先の「日本一周」という告白に、たこべーは戸惑いを隠せないでいた。

 それでもなんとか貯金だけはしてくれることになった。日本一周するにしろしないにしろ、貯金して損はないからということだ。結局このときから始めた貯金は旅出発の直前まで続けられることになり、早い段階からの貯蓄計画はアルバイトをせずして日本一周できるだけの資金を生み出すまでになった。

 貯金と平行してたこべーのツーリング経験も積んでいく必要があった。段階的に距離を伸ばしていったのだが、この計画はうまくいったような気がする。

【1】日帰りツーリング(荷物なし)  ・・・浜名湖一周、鞍ヶ池公園ツアーなど
【2】1泊2日ツーリング(荷物なし) ・・・琵琶湖一周、淡路島一周
【3】1泊2日ツーリング(荷物あり) ・・・能登半島(輪島〜曽々木)
【4】1週間ツーリング(荷物あり)  ・・・北海道道東ツーリング

たこべー自身がどういう気持ちで乗り越えていったかはよく分からないのだが、とにかく【4】まで到達できたのである。

 こうして資金面、ツーリング経験の面での不安は解消されていったが、結局彼女が日本一周を決断したのは出発から4ヶ月ほど前のことだった。実に一年以上も悩んでいたことになる。これだけ悩んで出した結論なのだからきっと後悔することなく日本一周できるだろう。
「後悔するくらいなら行動して考えたっていいじゃないか」
と言っていたたこべーの言葉を思い出した。






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