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HOME > 日本一周の記録編 > 実現 > 旅の日記(目次)> 2003年07月25日
462日目
2003年7月25日(金)
【天気】晴れ時々くもり
【記録者】とっこり
「さくら診療所」


いやしの舎(休憩所)

今日の予定。
まず午前中にさくら診療所に寄って、宿泊地は脇町にある道の駅。
行程にして20kmちょっとだろうか。
走りがメインになる日でないことは確かだ。

昨日、さくら診療所に電話して、今日の午前中に伺うよう連絡した。
診療所といっても病気で行くのではない。
実はここ、TICOの事務所があるのだ。


TICO(徳島で国際協力を考える会)

TICOって何?
説明しよう。
2002年12月、日本一周第一部を終えて実家で休養していたところ、TVのある番組が目に止まった。
ボランティアグループを紹介する番組だ。
その日は徳島県にあるボランティアグループを紹介していて、内容はよく覚えていないが印象に残ったことを記憶している。
なにかがひっかかったのだろう。
番組終了後、そのグループTICOのホームページにアクセスして、メールを送った。
旅の途中でぜひ寄ってみたいと。
そしたら「どうぞどうぞ」と返事が来たので、半年以上かかってやっと訪ねることになったというわけ。
TICOはザンビアへの国際支援をしているNGOで、診療所を拠点に活動しているところが変わっている。
そのTV番組を見たのも偶然なら、メールをTICOに送ったのも気まぐれ。
NGOにちょっと興味があるからという理由だけで押しかけようとしている。


さくら診療所までは11km、午前9時には到着した。

診療所っぽくない

玄関から中に入るとまず待合室と受付があった。
おや?なにか変だ・・・。
病院特有の冷たい雰囲気が感じられない。
建物全体が木造で、コンクリートにはない木のぬくもりのおかげだろうか。
待合室には暖かくてゆったりとした空気が流れている。
おっと、入るなりきょろきょろとしてしまったが、受付でHさんを呼んでもらう。
Hさんは今回の訪問の連絡を取った方だ。

数分後、Hさんと初対面であいさつ。
優しそうな感じの人だ。
TICOの活動について話を聞きたいと伝えてあったので、事務所に案内された。
事務所といっても診療所内の一室、診療所のスタッフルームだ。
パンフレット等があるわけではないが、TICOの活動のこと、TICOのメンバーのこと、さくら診療所のこと、Hさんのことや院長のこと、聞きたかったことはもちろん聞いてもいないことをたくさん話してくれた。
TICOの活動はザンビアへの国際支援がメインだ。
だが、そのためにはまずここ山川町での地域のあり方から変えていくことで世界が変わるという視点を持っている。
診療所が畑を所有し、そこで採れた安全な食べ物を病院食として提供する。
その畑の作業スタッフは病院職員だ。
地元で採れた野菜などを、敷地内で直売所を開いて売る場所をもうける。
診療所は地元のを100%使用している。
基本は地産地消か。
使用電力の一部を自家ソーラー発電によってまかなっている。
環境のことも考えている。
患者と医者との心の距離を近づけるため、先生方は白衣を着ていない。
院長はザンビアへ青年海外協力隊の経験をもつ。
職員の何人かは青年海外協力隊の経験をもつ。
んなバカな!って感じ。
TICOの活動もさることながら、さくら診療所そのものがおもしろい。
こんなところがあったんだという新鮮な驚き。


いろんな話をしてくれたうえに、診療所内の案内や、畑の案内をしてくれてあっという間に2時間が過ぎた。
Hさんは午後から予定があるそうなので、我々はいったん退散する。

もうちょっと話がしたいのでHさんが戻ってくる午後4時までは近くで過ごす。
昼食をとって本屋で立ち読みして、あとは診療所の待合室で待つことに。
待合室には本がたくさん置いてある。
雑誌だけじゃない。
ハードカバーの本がずらっと壁一面の本棚に収まっている。
そのうちの何冊か手にとってソファーで読みふける。

ぶらぶらと先生が待合室に出てきて患者さんと世間話。
TICOとさくら診療所の全ての根源、中心である院長の吉田先生もでてきた。

地元にあったらうれしい診療所

この人は本当にすごい。
TICOの活動の中心であるのはもちろん、常識にとらわれないさくら診療所の開業、個性的すぎる職員を束ねる統率力と魅力、いくら誉めてもきりがない。
世の中は広い、すごい人がいるもんだ。


午後5時くらいになってようやくHさんが戻ってきた。
ここから宿泊予定地の道の駅まですこし距離があるため、話をしている余裕がなくなってしまったなぁと思って、あいさつだけして出発しようとした。
ところが
診療所に泊まっていったらいいよ。
と言ってくれるではないか。
この申し出は本当にうれしかった。
ここの人達ともっと話がしたいと思っていたからだ。
遠慮なくお世話になることにした。



夕食は職員のみなさんと寿司寿司
さすがお医者様です。
ひとりひとりの素性を改めて聞いて、やっぱり個性的なメンバーであることが発覚。
青年海外協力隊経験者。
これから協力隊の試験を受けようとしている人。
沖縄の魅力にとりつかれている人。
放浪の旅の末にさくら診療所にたどり着いた人。
これだけの個性を束ねる吉田先生はきっといちばん個性的なんだと思う。
まだまだ小さくまとまっている自分にカツを入れるには十分すぎる刺激になる。
もっとがんばらにゃ〜!と気合いが入る。

世の中の常識に縛られて世間体を気にしながら生きている人は、我々の旅に対して、日本一周が終わったら結婚をしてサラリーマンに戻って落ち着くのがいいんじゃないの?という言い方をすることが多い。
日本一周が若いときにしかできない冒険だと考えているからだ。
サラリーマン神話の幻想にいまだにとらわれている感がある。
ところがTICOのメンバーは違った。
日本一周が終わったら次はどんなことをするのか楽しみだと、少なくとも平凡なサラリーマンに戻るんだと思っている人はいなかった。
平凡な人生のレールに別れを告げ、日本一周を刺激ある人生のきっかけにしたいと考える自分にとって、この人達の生き方・考え方は心の支えになる。
新たにたくさんの仲間を得て、さくら診療所での1日が終わろうとしている。
明日からまたがんばろう・・・。





移動
出発地 徳島県鴨島町 江川湧水いやしの舎
到着地 徳島県山川町 さくら診療所

今日の出費
1074円

走行データ
走行距離 11.2km
総走行距離 13288.0km
走行時間 46分
平均速度 14.7km/h




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