374日目
2003年4月28日(月)
【天気】晴れ
【記録者】とっこり
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「栗おじさんと奇跡の再会」
昨日は標高1330mの牧ノ戸峠を拠点にして久住山へ登山をした。
午後1時には下山して牧ノ戸峠にいたにもかかわらず、あわてて移動しても大して走れないだろうということで峠でキャンプした。
そして今日の朝、もう4月下旬だというのにブルブル震えるくらい寒い。
標高のせいだとは思うがもうすぐ5月なのに寒さと戦うのはどうかと思う。
寒いのはこれっきりにしてほしい。
1330mから一気に瀬の本高原まで下る。
2日前、たっぷりと時間をかけてゆっくりと登ってきた道をあっという間に下ってしまうのはなんだかさみしい気持ちになる。
瀬の本高原までの7kmを終えてそのまま県道を走り続ける。
ひたすらゆるい下りの道が伸びていて、ペダルを回さなくてもすいすいと進んでいく。
この道はあの有名な「やまなみハイウェイ」、たしかに景色はすばらしい。
道も走りやすいし、なるほどドライブコースとして雑誌によく載っている理由がわかる。
そんな道をずっと走っていたい気持ちもあったけど、このままずんずん進むと阿蘇山まで行ってしまうから途中で左折した。
その道は県道40号線。
ゴールデンウィークで阿蘇周辺は交通量が多いと予想して、高千穂に向かうのに国道を避けて県道を選んで走っていくことにしたというわけだ。
産山村役場まで通じているこの道、さっきまでのぱーーっと広がる高原の風景とは一変して日本の田舎といった感じの風景が現れた。
山と山の間を流れる山鹿川に沿って道が走っている。
棚田が一面に広がって、ぽつりぽつりと集落が出てくる。
東北のどこかでもこんな景色を見たな〜なんて思い出しながら楽しんだ。
道ばたの菜の花
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産山村を過ぎて波野村に入った。
国道57号線に出るとすぐ近くに道の駅を発見したので寄ってみることに。
ひとまず休憩しよう。
道の駅に着いて一番手前の建物に自転車を停めた。
情報館で観光パンフレットを仕入れ、おみやげ館に立ち寄ってから敷地の奥の方にあるトイレへ向かった。
すたすたと歩いているそのとき、
まだ自転車に乗ってるのかい?
とどこからともなく声をかけられた。
ん?声の出所を探すとすぐ近くで屋台を出しているおじさんであることがわかった。
栗を売っているようだ。
はて?自転車はここから見えないところに停めてあるのになんでだろう?
しかもこのおじさん、オレのこと知ってるような口ぶりだなぁ。
このあたりに知り合いなんていないはず・・・
あっ!!Aコープで見たおじさんだ!!
おもいだした。
実はこのおじさん、宮崎県南郷町で会ったことがあるのだ。
それは20日以上前の4月4日のこと。
宮崎県の南端都井岬の近くのその町で、雨宿りのために立ち寄ったスーパーAコープの店先で栗を売っていたおじさんがいて、そのときはちょっと世間話をしていた。
ただそれだけだ。
行き先を告げたわけでもなく、電話番号を交換したわけでもない。
それなのに、直線距離にして200km以上はあろうかという場所でまた会うなんて。
なによりもそのおじさんが自分のことを覚えていてくれたのにはびっくりだ。
声をかけられなかったら気づかなかった。
おじさんともども最初は驚き、そのあとは再会を喜んだ。
こんなことがあるなんてびっくり、旅っておもしろいな〜。
道の駅を出発してからも県道を走る。
そういえば水を確保しないといけないな〜と考えながら田舎道を走っていく。
波野村の中心まで来たときに郵便局を発見してペットボトルに水を汲ませてもらった。
そういえば食料もあんまりないな〜と考えて村役場に立ち寄ってスーパーの場所を聞いてみた。
この辺にはないねぇ。
ないらしい。
今持っている食料はパスタと米。
昼食タイム
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このさき高千穂町までは店なんてありそうにない。
とりあえず昼食ぶんさえなんとかなれば高千穂町で買い物すればいいだろう。
昼ご飯はパスタに決定だ。
夕食ぶんは持っていないから今日はなんとかして高千穂町までたどり着かないといけない。
ずいぶん距離があるけどしょうがない。
国道を走っていればもっと楽だったのに・・・といいたくなるようなアップダウンの激しい道をただひたすら汗にまみれながら走り続けた。
眼下の絶景
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この道、ホントにきつかった。
いつもなら途中で走るのをやめてテントを張ってしまいそうな行程を、食料がないからという理由でがんばって走った。
交通量はほとんどないから走りやすい。
ここじゃなくて国道を使って高千穂を目指していたらきっと、車の多さでぐったりしていただろう。
道はこっちの方がきついけど、空気はうまいし景色はいいから自転車にとってはサイコーだ。
でもサイコーだなんて言ってられるのは自分だけかもしれない。
たこべーは「なんで国道にしなかったの!!」って顔をしてるから。
暗くなる前にかろうじて高千穂町に到着。
スーパーで牛乳を買って飲んだときの例えようのないほどの感動、これはなかなか味わえない。
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