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HOME > 日本一周の記録編 > 実現 > 旅の日記(目次)> 2002年06月26日
68日目
2002年6月26日(水)
【天気】晴れ
【記録者】とっこり
「カモシカ・青池・チャリダー・不老不死温泉」

朝から快晴、気持ちよすぎる。
テントを素早くたたんで気持ちのよい朝の風を求めて出発した。

出発してからものの数十分、青森県に入った。
青森県ではどんなことが待ち受けているのかたのしみだ。
「ここより青森県」という看板の前で写真撮影して再び走り出す。
さすが日本海シーサイドラインと銘打つだけあって、日本海を真横に見ながら走ることができるというのは最高に気持ちがいい。
たいしたアップダウンもなくスイスイと走れるところがまたいい。
晴れているのがさらに気分を高めてくれる。

そのうち、ちょっとした登りにさしかかった。
車通りが少なく、自然の音以外に聞こえるのは自分の自転車を漕ぐ音と、荒々しい息づかいだけ。
遠くには波の音がかすかに聞こえる。
さらにどこからともなく馬の蹄の音が聞こえてくる。
・・・えっ?馬の蹄?
パッカパッカという足音はどんどん大きくなっていく。
なんで?こんな何もない一本道でどこに馬がいるっていうの?
ふとまっすぐに伸びる道路のずっと先に目をやると、なにか動物がこちらに向かってくる。
20m・・・10m・・・
ニホンカモシカ!!
びっくりたまげた、天然記念物のニホンカモシカが道路を走ってきているではないか。

天然記念物が目の前に

けっこうでかい。
このままだとぶつかる!とは思わなかったが、蹴り飛ばされでもしたら大変なことになると思って自転車をストップして様子をうかがう。
するとカモシカはこちらから3mほどの距離のところでストップ。
見つめ合ったままお互いが動きを止めてしまった。
しばらくの沈黙。
下手に動いて刺激するのはまずかろうと思ってこちらから動かないでおく。
さてどうしたものか・・・。
気分的には3分くらいは見つめ合っていただろうか、たぶん実際は10秒かそこらだったのだが、自動車がブーーーンと走ってきたためニホンカモシカは慌ててガードレールを飛び越えて山へ帰っていった。
ふいーー、朝からすごいもんを見てしまった。


それからしばらくは平らなシーサイドラインを快適に走り抜ける。
そしてあっという間に五能線の十二湖駅までやってきた。
このあたりで右折し、山の中へと入っていく。
目指すは十二湖だ。 その名の通り12の湖が集まっている・・・というわけではなく実際は33の湖がある。
近くの崩山(940m)から12の湖が見えるのでこの名前が付いたらしい。

国道を右折してからすぐに登りがはじまった。
けっこうきつい。
七曲峠って名前のところが途中にあって、急勾配の坂を7回くねって一気に標高を上げていく。
車通りが少ないのが唯一の救いだろう。
自分たちのペースでゆっくりゆっくり登った。

しばらくするとビジターセンターに到着。
センターでちょっと休憩してからまた走り出すと、あちこちに池が見える。
十二湖とはいうが、なんてことはない池だ。
いたって普通の池。
さらに進むと挑戦館なる建物までたどり着いた。
ここが道路の終点。
自転車を置いて林道を10分ほど歩いていくと青池という十二湖での最大の観光地が待っているらしい。
ここまでの池を見てきた限りでは、その青池とやらもたいしたことないのでは?と考察。
ぶつぶつ言いながら歩いた。
大きな池の縁を歩くこと10分、池から外れて山の中へと道が続いていた。
その道を歩いていくとすぐに「青池」の看板を発見した。
ぁ・・・・・。
言葉を失った。

写真で伝わらない沈黙の青池

青池は本当に青かった。真っ青だった。
透明で透き通った青色のその池は、一切の波をたてずにたたずんでいる。
周りはブナの木々に取り囲まれて外部から池はまったく見えない。
そのブナの木々が水面に映し出されるのと同時に、湖底に沈んだ木々や木の枝がくっきりと見え、なんともいえない神秘的な湖を演出している。
静か。
時折、虫の飛び交う音が聞こえるくらいでほぼ静寂の世界
自分の息づかいがうるさく聞こえるくらい、じゃまくさく感じるくらい静寂、沈黙。
なんだか突然、異次元にでも迷い込んだかのように錯覚してしまう。

ずっとここにいたい気持ちでいっぱいだが、ときどき他の観光客がやってきて静寂が壊れるのを繰り返しているうちに、もういいかという気になってきたので退散。
ええもん見せてもろうた。


苦労して山道を登ってきた甲斐があった、と満足して来た道を戻っていく。
5分後、自転車をストップ。
3つ又になっているちょっと広いT字路でチャリダーを発見したのだ。
近づいてみると自転車に荷物を満載した人が二人、男と女。
わお、カップルチャリダーだ。
うちらと同じじゃんか。
うれしくなって立ち話がはずんだ。

彼らはどうやらすぐ近くの十二湖リフレッシュ村というキャンプ場に泊まっていたらしく、たったいま出発したらしい。
(いま出発って・・・もう10時だぞ。)

カップルチャリダー発見

福岡を3週間前に出発した彼らは、まずはフェリーで神戸に渡りそこから新潟まで走行したあと、またフェリーに乗って秋田にやってきた。
そして青森を目指して走っているとのことだ。
3ヶ月くらいのツーリング予定とのことだったが、同じカップルチャリダーとしては刺激され励みになる。
うちらはすでに68日目だから、ちょっと先輩??

話は尽きなかったがほどほどにして出発することにした。
青森市に向かうルートは同じだったので、しばらくは4人でツーリングを楽しむ。
初めて会った長旅のチャリダーがカップルだなんて、なんか不思議な感じがする。
電話番号もメールアドレスも交換したから、旅が終わってもつきあっていけたらいいなぁと思う。

国道に戻ってきたあたりで、彼らは寄りたいところがあると言って去っていった。
だがその後も抜きつ抜かれつ、休憩していたら抜かれ、走っていると抜き、とどうやらペースが似通っているらしく何度も遭遇する。
同じ道を同じ方向に走っているのだからしょうがない。
そのうち我々は寄りたいところがあって国道を外れたため、その後はぱったりと出会わなくなった。
彼らの宿泊場所はおもにキャンプ場、我々はお金をケチってキャンプ場には泊まらないのできっと今日は会うことはないだろう。
もしかしたら青森港からのフェリーで一緒になるかもしれない。
北海道でばったり会うかもしれない。
そんなことを楽しみにしている。


さて、今日の次なる目的地は黄金崎不老不死温泉
十和田湖までもう少しのところまで行っておきながらも日本海に抜けてきたのは、何を隠そうこの温泉に行くためだったのだ。
海のすぐそばで黄金色の温泉に入れる。
しかも混浴
これは入っておかねば後悔すると思って大きく迂回してやってきたというわけ。
そしていよいよ念願が叶うのだ。

旅館のフロントでお金を払い、タオルを持って海岸に向かう。
簡易の更衣室がふたつ、男性用と女性用。
そして湯船も男性用と女性用があるみたい。
でも男性用は混浴用でもあり女性の方もどうぞ、となっている。
うーむ、微妙な混浴だ。
たこべーは残念ながら女性用へ。
男性用にはけっこう人がいたからしょうがない選択だ。

とりあえず服を脱いで湯船に向かう。
ほほ〜たしかに黄金色だ。
すごい。
そして見渡す限りの海、今にも海水が入ってきそうなほどの位置に温泉はある。
さっそくザブッと入ってみる。

黄金色の不老不死温泉

あぁあぁ〜ええ湯じゃ。
さんさんと照りつける太陽を浴びながら、波の音を聞いて温泉に浸かる。
これはもうたまらんね。
これで女の人が一緒に入ってたら極上なんだけど・・・。
と思っていたら願いが通じた。
どうやら我々の他にも夫婦でやってきた客がいて、最初は女性用の方に入っていたのだがせっかく来たのだから混浴したいといってたこべーを引き連れて2人でやってきたのだ。
いや〜うれしいねぇ。
やっぱ混浴風呂に男ばっかりじゃつまらんよ。


なんか今日はやけにいろんなことがあった。
朝一番にニホンカモシカに遭遇して、あんまり期待していなかった十二湖の青池にドギモを抜かれ、十二湖に寄り道したことで偶然にもカップルチャリダーに出会い、そして念願の黄金崎不老不死温泉で混浴ができた。
毎日がこれくらいバラエティに富んだ、楽しい一日だったらきっと日本一周はとんでもなく充実したものになるにちがいない。
それができるかどうかは自分たちの心がけ次第。
刺激を求めて、いろんな出会いを求めて、積極的に行動していこうと思った一日でした。





移動
出発地 秋田県八森町 道の駅はちもり
到着地 青森県深浦町 夕陽公園

今日の出費
2815円

走行データ
走行距離 50.2km
総走行距離 2520.9km
走行時間 3時間36分
平均速度 13.9km/h




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