「ついにこの日が来た」
思えばこの日本一周を計画したのは2年前。
待って待って待って、やっとここまでこぎつけた。
会社への報告、親の説得は大変だったがもう後戻りはできない。
これでよかったのかと自分に問いかけ続けて、はっきりと自分自身に
「後悔はしてない」
と言えるまでになった。
出発までに日本一周の半分のエネルギーを使ったような気がするほどぐったりしているが、これから始まる旅に期待して胸が躍るのだった。
いよいよ出発
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朝、たこべーの家族に見送られて意気揚々と出発。
見慣れた景色の中を進んでいったが、刈谷市といえども交通量は多くて荷物を積載した自転車には走りづらくてしょうがない。
車道は狭いから歩道を走る、そうすると交差点の度に段差の衝撃を受けて人も自転車も苦痛に顔をゆがめる。
それでもゆっくりと少しずつ、愛知県を早く抜けたい一心で走り続けた。
目指すは琵琶湖。
そこから日本海に出て北上するからだ。
ところが琵琶湖に向かうためには大都市名古屋が目の前に控えており、道路事情や交通量を考えれば当然避けたい。
そこで名古屋市に沿うようなルートで木曽川まで北に進み、その後は川沿いにを西に進むコースをとることにした。
交通事情は名古屋圏にいる以上は涙を飲まねばなるまい、覚悟を決めて行くしかない。
日本一周を掲げて出発したけれど、初日に
どっから来たの?どこまで行くの?
と聞かれて
日本一周です!!
と言えるほど肝は座ってない。
100kmも走っていないのに、もしかしたらすぐにリタイアしてしまう可能性だってあるのに、日本一周を口にしてしまうことが怖かったのだ。
情けないけどこれが本音だ。
せめて1週間くらい走って「これなら大丈夫だ」と思えるようになったら日本一周を公言したい。
細野キャンプ場
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今日の目的地はあらかじめ決めてあった細野キャンプ場。
看板が全然出ていなくて見つけるのに苦労したが、地元の人に聞きつつ何とかたどり着いた。
キャンプ場には誰もいない、まだ4月だからいなくて当たり前かと思い、いくつもあるテントサイトを横目に屋根のある炊事場にテントを張った。
誰もいないんだったら大丈夫、文句は言われまい。
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